Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.229 caratteri · 389 schermate
そして、両手をひろげて壁の前に、こっち向きに立ちながら、お蓮様とお美夜ちゃんを指さして、ふしぎな泣き声をその口からもらすのだ。
あなた方お二人は、夢にも知らないだろうが。こうして壁へ塗りこめられて……。
という意味を示すつもりだろうが、人柱などという複雑なことが、こんな簡単なしぐさひとつで、わかろうはずがない。
お蓮様はふしぎそうに、お美夜ちゃんをかえり見、
「なんだろうねえ」
「あたし、気味が悪いわ」
お美夜ちゃんはこわそうに、母のかげへまわる。
じっさいそれは、妖異な場面であった。唖の娘が、何事か懸命に知らせようとして、渾身の力をこめてさまざまの動作をする室内。行燈の灯がお梶の影を、大きく壁に踊らせて。
戸外は、地殻も割れんばかりのすさまじい大暴風雨。
七
お梶は一生懸命に、身ぶりをつづけて、背中を壁にすりつけたり、壁の前に立って、しきりに土を塗る手つきをするやら……左官の妹だけに、壁屋の手まねは堂にいっている。
かと思うと、こんどは、お蓮様とお美夜ちゃんを指さして、眼をつぶり、呼吸をつめて見せるのは、「死ぬ」という意味を表わすつもりだろうが、まるで踊りの手ぶりを見ているようで、こんなことでわかるはずはない。