Classici giapponesi con furigana
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にんきょうにとうりゅう
任侠二刀流
国枝 史郎
Leggi 任侠二刀流 (にんきょうにとうりゅう) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 224.569 caratteri · 451 schermate
お酌しますわ、この浜路がね」
馬を門口へ繋いで置いて、酒場の中へはいるや否や、こんな塩梅にまくし立てた。
草花を染め出した水色の小袖、亀甲模様の山袴、あり余る髪を項で束ね、無造作に肩へ垂らしている。びっくりしているような大きな眼、むっくりと盛り上がっている真っ直ぐの鼻、締りのいい大型の口、身長は高く肉附きがよく、十八歳とは思われない。清らかで涼しくてあけっぱなしで、山霊が凝って出来たような女、どんなに気持ちが結ぼれていても、一度この娘と話したら、明かるくなるに相違ない。
「いよう姐ご、大成功!」
「山窩めひでえ目に会やアがった」
酒場が陽気になったのは、まさに当然なことだろう。
「酒場の浜路さんにゃあ相違ないが、同時に俺らの浜路さんだ。うっかり手でも付けてみろ、村一統承知しねえ」
「おおおお大将何を云うんだ、何んの村ばかりの浜路さんなものか、御岳一円の浜路さんだ。薬草道人と浜路さん、これが御岳の守護本尊さ。それ本尊はあらたかのもの、汚してはいけない拝め拝め」
あちらでも讃美、こっちでも讃美、その中を軽快に駈け巡りながら、浜路は愛嬌を振り蒔いた。この陽気で華やかな酒場に、一人一向はしゃごうともせず、むしろ陰険な眼付きをして、じろじろ見廻している男がある。