Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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にんきょうにとうりゅう

任侠二刀流

国枝 史郎

Leggi 任侠二刀流 (にんきょうにとうりゅう) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 224.569 caratteri · 451 schermate

Aozora Bunko

わる! 槍をいれなされ槍をいれなされ! 駄目かな駄目かな、誰も来ないかな! 馬術は大坪、常心流、随心流など繁昌とか、せめて我らが行列を、突っ切る者はござらぬかな! やっぱり駄目か、笑止笑止! やアやア汝ら鬨を上げろ!」

エイ、エイ、オ――

エイ、エイ、オ――

太郎丸の軍勢異口同音、武者押しの声を響かせた。

城方の武士にも勇士はある。食い止め突き崩すに訳はない。しかし城下の騒動を、おもんぱかればそれもならぬ。心に無念を貯えながら、ただ遠巻きに送って行く。

「駕籠の戸締めい!」と太郎丸! 声に応じて戸が締まった。「急げ者ども、早駈けに行け!」

エイ、エイ、オ――

エイ、エイ、オ――

トットットッと駈け出した。鳴るは甲冑、足並みの音、燃えるは松火、輝くは武器、太郎丸の全軍四百人、海を目掛けて押して行く。

敵ながら天晴れの退き口である。

松火の火も遠ざかり、物音さえも静まって、名古屋の城下ひっそりとなった。と、今日の熱田辺で、ド、ド、ド、ド、ド、ド、という鉄砲の音! すなわち砲払いをしたらしい。

こうして島津太郎丸、同勢をまとめて城下を去り、海へ浮かんでしまったのである。