Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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にんきょうにとうりゅう

任侠二刀流

国枝 史郎

Leggi 任侠二刀流 (にんきょうにとうりゅう) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 224.569 caratteri · 451 schermate

Aozora Bunko

草鞋の紐さえ紺である。頬かむりをしたその上へ、編笠まぶかに冠っているので、その容貌は解らないが、赤い締め緒にくくられた、クッキリと白い頤つきや、細々とした頸足へ、バラリもつれている紛髪や、手甲の先から洩れて見える、節靨のある指先や、そういうものから考えて見れば、若い女でなければならない。両国広小路の掛け小屋から、抜け出たところから想像すれば、蛇使いの女太夫、組紐のお仙が商売がら、蝮捕り姿に身をやつし、恋しい男を追っかけて木曽路へ行くに違いない。

「困ったわねえ、はぐれちゃった」

府中の宿まで来た時である、男の足には叶うべくもなく、後へ残された女蝮捕りは、がっかりしたように呟くと、五月初旬の初夏の陽に、汗ばんだ額を拭こうとしてか、締め緒を解いて笠を脱いだ、剃りつけて細い一文字の眉、愛嬌こぼれる円味はないが、妖婦型さながらの切れ長の眼、ちょっと刺々しく思われるものの、それがバンプに似つかわしい、スッと高く長い鼻、その左右に靨があって、キュッと結べば深くなり、綻ばせれば浅くなる、そういう可愛い特徴を持った、小さい薄手の赤い唇、間違いはない、組紐のお仙。

甲州街道は日本一の難場、それを女の一人旅、これは困るのが当然である。