Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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にんきょうにとうりゅう

任侠二刀流

国枝 史郎

Leggi 任侠二刀流 (にんきょうにとうりゅう) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 224.569 caratteri · 451 schermate

Aozora Bunko

サッと切り下ろした片手斬り、流名で云えば払叉刀、これが決まれば梨割りだ。

不思議なことには手答えがない。敵はどうやら逃げたらしい。

「はてな?」と呟いた宗三郎、考え込まざるを得なかった。「浮世には素早い奴がある。俺の切り手をひっ外し、足音も立てずに逃げるとは? いやどうも驚いたなあ」

チャリンと鍔音高く立て、刀を納めたものである。空を仰げば明日は天気、一点雲なき星月夜、と大きく抛物線を描き、青く光って飛ぶ物がある。人魂ではない流星だ。

「流星しばしば流るるは」

宗三郎微吟する。

「天下乱るるの兇徴なり」

よい声だ。澄き通る。悠然宿の方へ引っ返した。

享保十年夏五月、青葉薫ずる一夜の出来事、もって物語りの二段とする。

翌日宿を出た宗三郎、三岳村の方へ足を入れた。萩原の手前まで来た時である、ちょっと面白い事件が起った。

「箆棒な爺だ、何を云やあがる、村方の厄介になりながら、詰まらねえ事ばかり云やあがる。不吉も糸瓜もあるものか、こんな結構な事はねえ。第一人出入りが多くなり、村へ沢山金が落ちらあ」

「そうともそうともお前の言う通りだ。薬草採りの連中が、一日に使う金額だけで、村の一月の生活は立つ、もうそれだけでも有難えじゃあねえか」