Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 350.912 caratteri · 702 schermate

Aozora Bunko

しばらくすると戻って来て、

「分りました」

と告げる。

「何処だ」

「やっぱり、今、登って来た坂の途中ですぜ」

「そんな屋敷があったかな」

「将軍家の御指南と聞いていたんで、あっしゃあ、柳生様のような屋敷かとばかり思っていたら、さっき右側に見えた汚い古屋敷の土塀がそうなんでさ。――あそこは以前、何とかいう馬奉行がいた屋敷だと思ってたが」

「そうだろう。柳生は一万一千五百石。小野家はただの三百石だからの」

「そんなに違うんで」

「腕はちがわないが、家柄がちがう。――柳生などはその点では、先祖が七分禄を取っているようなものだ」

「ここです……」

と、足を止めて指さすのを眺め、

「なるほど、ここか」

と、小次郎も立ち止まって、まずその家構えをしばらくながめていた。

馬奉行時代の古い土塀が、坂の途中から裏山の藪へかけて繞らしてある。地内はかなり広いらしく扉のない門から奥をのぞくと、母屋の裏に道場らしい、木の色の新しい建て増しの棟もみえる。

「帰っていい」道案内の男へいって――

「晩までに、お杉ばばの身を受取って帰らなかったら、小次郎も骨になったと思え――と、弥次兵衛へ伝えておけ」