Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 350.912 caratteri · 702 schermate
と、問わず語りをして、
「あんなのが、近頃やたらに大名屋敷へ忍び込むといううわさの盗賊ではございますまいかの」
と、まだ気に懸けて、黒々と暮れた青葉の奥を見上げていた。
角兵衛は、気にもとめない容子だった。大名屋敷へ、怪盗がはいるといううわさはあるが、細川家など見舞われたこともないし、当家に盗賊がはいったと、自らの恥を自らいう大名のあった例しもないので、
「はははは。あれは、単なる噂にすぎない。寺の裏山などへもぐる盗賊なら、多寡の知れた小盗人か辻斬かせぎの牢人者であろう」
「――でも、ここらは、東海道の街道口に当りますので、他国へ逃げ出す奴が、よく行きがけの駄賃という荒仕事をやりますので、夕方など、風態のわるい人間を見ると、その晩は、嫌な気もちがいたしまして」
「変事があったら、すぐ駈けて来て、門をたたけ。うちの懸り人どのは、そういう折を待ってござるが、出会わないので、毎日、髀肉の嘆をもらしているくらいだ」
「あ。佐々木様でございますか。あんな優姿でも、お腕はたいそうなものだと、この界隈の衆も、評判でござりまする」
小次郎のいい噂を聞くと、岩間角兵衛は、鼻が高い気がした。