Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 350.912 caratteri · 702 schermate
抱いてみると体温はたしかである。竹筒の水を与えると、すぐ意識はよび戻した。伊織はあたりを見て、きょろきょろしていたが、突然大声を出して泣き出した。
「痛いのか。どこか、痛いのか」
沢庵がたずねると、伊織はかぶりを振って、どこも痛くはないが先生がいない、先生が秩父の牢屋に連れて行かれてしまった。それが恐ろしいと、なお泣きじゃくって訴えるのだった。
彼の泣き方も訴え方も、余りに唐突であったから、沢庵も容易にその意味を汲むことができなかったが、だんだんと仔細を聞いて、なるほどそれは容易ならぬことが起ったものと、ようやく伊織と同じ憂いを抱くことができた。
するとそれを傍らで聞いていた城太郎は、身の毛をよだてたように、卒然と、愕きを顔にみなぎらして、
「沢庵さま。申しあげたいことがあります。どこか人のいない所で……」
と、少し声をふるわせていい出した。
伊織は、泣きやんで、疑いの眼を光らしながら、沢庵へ寄り添うと、
「そいつは、泥棒の一類だよ。そいつのいうことは、嘘に決まってる。油断しちゃだめだよ、沢庵さん」
と指をさした。
城太郎が睨むと、伊織はなお、いつでもまた、戦ってやるぞという眼をもって、それに酬いた。