Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 350.912 caratteri · 702 schermate
――案外、細川家よりの迎えよりも、九度山からのお迎えを、待っておろうも知れませぬぞ」
「え?」
「ははは」
佐渡はすぐ笑い消した。
だが今、不用意のうちに、幸村へいった佐渡のことばは、必ずしも、不用意な言とはいえない。
悪くいえば主の肚をさぐろうとして鋭鋒の先を、ちらと見せたものと取れる。
「……お戯れを」
と、幸村も、笑い顔だけでは反らしかねて、
「なかなか、若党ひとり、今では召抱えられる身ではなし――何で名だたる牢人衆などを、九度山へ迎え取りましょうぞ。もっとも、先でも来もいたしますまいが」
言い訳に落ちるとは知りながらも、ついいい足してしまったのである。佐渡は、この機と、
「いやいや、お包みあるな。関ヶ原の合戦に、細川家は東軍に御加勢、徳川方と旗幟はすでに鮮明でおざるし――また、其許におかれては、故太閤さまの遺孤秀頼君が、唯一の味方とお頼みの人とは世上にかくれもないことよ。……最前もふと、床のお懸物を拝すにつけ、ふだんのお心がけも床しゅう覚えていましたわえ」
と、壁の秀頼の書を顧みながら、戦場は戦場、ここはここと、胸をひらいていったのであった。
六
「そう仰っしゃられると、この幸村、穴にも入りたい心地がいたす」