Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 350.912 caratteri · 702 schermate

Aozora Bunko

甲州武士がふかく帰依していた禅僧で、織田徳川の聯合軍が、峡中へ討入って、山門へ火をかけた時、その楼上でしずかに炎に体を焼かせながら、

――心頭ヲ滅却スレバ火モ亦スズシ

と、いって死んだという人。

眼をつぶりながら、伊織は、

(なんだ、柄杓いっぱいの熱湯ぐらい)

と、思ったが、またすぐ、

(あ。そう思うのが、もういけないんだ)

と気づいて、頭のしんから体じゅうを、しーんと虚にして、形はあれど、迷妄も悩悶もない、無我の影になろうとした。

だが。駄目であった。

伊織には、そうなれない。いっそ伊織が、もう少し年がゆかなかったら、或はなれよう。でなくば、もっともっと年をとっていたら、或はそこに到達されよう。彼ももう、あまりに物ごころがありすぎていた。

――今か。……今か。

額からだらりと落ちる汗も湯玉かと思えた。わずかな一瞬が、百年のように長いのだ。伊織は、眼を開きたくなった。

――すると、巌流の声が、

「おお。御老台か」

と、後ろでいった。

湯柄杓を持って、伊織の頭の上から、浴びせかけようとしていた佐兵衛も、周りの若い衆達も、往来の彼方から、

(伊織、眼をふさげ!)