Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 350.912 caratteri · 702 schermate
それは凄まじい働きだったが、城太郎の脇差は、屍肉から抜けなくなってしまった。彼があわてている間隙に、もう一名の郷士が、跳びついて来たらどうなるか。
結果は明白である。
だが、残った郷士の一人は、先に傷を負っていたし、力と恃む方が、悲惨な最期をとげたので、それも狼狽していた。
――見れば、彼方を、脚の折れた蟷螂のように、その男はよろよろ逃げてゆくのだ。城太郎は、それを見て、自分の狼狽から泛びあがった。足をふんがけて、脇差をひき抜いた。
「待てッ」
当然な勢いである。
それにもう破れかぶれな気もちもある。追いかけざま一打ちと駈け出しかけたのだった。すると、お通が、むしゃ振りついて叫んだ。
「およしなさいっ。……およしなさい。逃げて行く者を! ……あんなに傷を負っている者を!」
その声の、骨肉を庇うような真剣さに、城太郎はびっくりした。ここまで自分を苦しめて来た者をなぜ庇うのか、心理を疑った。
「それよりも、種々と、その後のはなしが聞きたい。わたしも話したい。……城太さん、一刻もはやく、ここから逃げて」
――そうだ。
城太郎も、それには異議がない。ここはもう讃甘と山一重だ。