Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 350.912 caratteri · 702 schermate
誰がそなたに助けてくれと頼んだか。――もし、このばばに、恩でも着せたら、怨みを解くか、などと考えたのなら、大間違いじゃぞ。たとえ、憂き目の底におろうとも、ばばは、生命欲しさに意気地は曲げぬ」
「でもばば様。どうしてお年をとったあなた様が、こんな目に遭うているのを見ておられましょう」
「上手をいうて、汝も城太めと、同腹ではないか。ばばを謀って、こうしやったのは、汝と城太めじゃ。もし、この窟から出たら、きっときっと、この仕返しは直ぐしてみせるぞよ」
「今に――今に――わたくしの気持が、きっとばば様に、分っていただける日もございましょう。ともあれ、そんな所にいては、またお体を病みましょう」
「よけいな戯れ口。うぬ。城太といい合せて、わしを揶揄いに来おったの」
「いえ、いえ、見ていてください。わたくしの一心でも、きっとお怒りを解いてみせまする」
彼女はまた、起ち上がって、岩を押した。動かない岩を、泣きながら押した。
だが、力では、絶対に動かなかった岩が、その時、涙では動いた。三つの岩の一つが、どさっと先ず地へ落ちた。
それからまた、後ろの岩も、思いのほか軽く揺ぎ出して、窟の口はやっと開いた。