Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 350.912 caratteri · 702 schermate
「と、思いはしますが、聞くところに依ると、佐々木巌流というものは、遉に稀れな天才らしゅうございます。殊に、細川家に召抱えられてからは、朝暮の自戒鍛錬は一通りでないとも聞き及びました」
「驕慢な天才と、凡質を孜々と研いた人と、いずれが勝つかの試合ですな」
「武蔵様も、凡質とは思われませんが」
「いや決して、天稟の才質ではありますまい。その才分を自ら恃んでいる風がない。あの人は、自分の凡質を知っているから、絶えまなく、研こうとしている。人に見えない苦しみをしている。それが、何かの時、鏘然と光って出ると、人はすぐ天稟の才能だという。――勉めない人が自ら懶惰をなぐさめてそういうのですよ」
「……いや、おおきに」
権之助は、自分がいわれている気がした。そしてそういう光悦の、のどかで間の広い横顔をながめながら、
(この人も)
と、思い合されるところがあった。見るからに悠閑の逸人らしい。何の険も針もない眸も、ひとたび彼の生む芸術へかかった時の光はこうではあるまいと思われた。汀にさざ波一つない日の湖と山雨を孕んだ時の湖とぐらいな相違があるのではなかろうかと。
「光悦どの。まだお帰りになりませんか」