Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 350.912 caratteri · 702 schermate

Aozora Bunko

――いかにも文言が、無法者らしいと、街の者は、欣しがっておりまする」

と説明した。

忠利は、ほろ苦い顔をした。自分が胸に持っていた武蔵とは、それでは余りに違うからである。その唾は、武蔵が浴びているばかりでなく、自分の暗愚も嘲られている気持がしたのであろう。

「ふム……武蔵とはそんな人物か」

忠利が、なお一抹の諦めかねたものをもって、そういうと、ほとんどが、異口同音に、

「どうも、つまらぬ男のようでござります」

といったり、

「いや、何よりも、よほどな卑怯者とみえまする。素町人などに、こうまで、恥かしめられても、いッこう姿を見せんそうですから」

と、一同がいった。

やがて、自鳴鐘が鳴ると、若侍たちは皆、退座した。忠利は、眠ってからも、考えていた。

けれども彼の考えは、あながち衆と一致していなかった。むしろ、

「おもしろいやつ」

と、思った。武蔵の立場になって、複雑に考えてみることに、興があった。

あくる朝、いつもの経書の間で、受講をうけて、縁へ出ると、庭に、長岡佐渡の姿が見えた。

「佐渡、佐渡」

と、呼びかけると、老人は振り向いて、朝の礼儀を、庭先から慇懃にした。