후리가나로 읽는 일본 고전
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もめんいぜんのこと
木綿以前の事
柳田 国男
柳田 国男의 木綿以前の事(もめんいぜんのこと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 177,586자 · 348화면
或る男が賀茂に参詣するとて、紙のはばきを巻いて家の前を通る。是に向かって即吟に、
千はやふるかみをも足に巻くものか
と言いかけると男も抜からず、
是をぞしもの社とはいふ
と答えたとあるのは、早いというだけが取りえで、誠にたわいもない口合いであった。また朝日の阿闍梨という僧が、安倍の某という陰陽師の家に忍び込んでいて、発覚して遁げ出そうとするところを見つけて、
あやしくも西に朝日の見ゆる哉
と亭主がいうと坊主、
天文博士いかに見るらむ
是などはこしらえ話で、どうやら下の句の方が前にできていたようにも見える。或いはまた下の句の十四字をまず提出して、上十七字の答を挑む例もあった。是も一人の法師が、路傍で屋根を葺いているのを見て或る者が、
ひじりの屋をばめかくしに葺け
と言いかけると、
あめが下に漏れてきこゆることもあり
と附けたという話もある。ヒジリは修業僧で、女房を持たぬ者の名であったのに、この頃は隠すは上人せぬは仏というまでに、有りふれた秘密になっていた。それでこの贈答が聴く人の腹の皮をよらせたのである。諸君もよく知っておられる武人の風流、
衣のたてはほころびにけり
という八幡太郎と貞任との連歌のごときも、考えてみればただ単なる言葉のしゃれで、とうてい弓に箭つがえて馳せまわる勇士の頭の中に、浮かんでくるような文句ではない。