후리가나로 읽는 일본 고전
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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
吉川 英治의 三国志(一)(さんごくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 309,839자 · 622화면
けれど、公卿百官のうちには、長い歴史と、祖先の地に、恋々と涙して、
「ああ、遂に去るのか」
「長生きはしたくない」
と、慟哭している老官もあった。
そのため、遷都の発足は、いたずらに長引きそうなので、董卓は、李粛を督して、強権を布令させた。
今朝寅の刻を限って、宮門、離宮、城楼、城門、諸官衙、全市街の一切にわたって火を放ち、全洛陽を火葬に附すであろう。
という命である。
ひとつは、やがて必ず殺到するであろう袁紹や曹操らの北上軍に対する焦土戦術の意味もある。
なににしても、急であった。
その混乱は、名状しようもない。そのうちに、寅の刻となった。
まず、宮門から火があがった。
紫金殿の勾欄、瑠璃楼の瓦、八十八門の金碧、鴛鴦池の珠の橋、そのほか後宮の院舎、親王寮、議政廟の宏大な建築物など、あらゆる伝統の形見は、炎々たる熱風のうちに見捨てられた。
「幾日燃えているだろうな」
董卓は、そんなことを思いながら、この大炎上を後に出発した。
彼の一族につづいて、炎の中から、帝王、皇妃、皇族たちの車駕が、哭くがごとく、列を乱して遁れてきた。
また、先を争って、公卿百官の車馬や、後宮の女子たちの輿や、内官どもの馬や財産を積んだ車や、あらゆる人々が――その一人も後に停まることなく――雪崩れあって、奔々と洛陽の外へ吐き出されて行っ