후리가나로 읽는 일본 고전
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ちけむりてんめいじん
血煙天明陣
国枝 史郎
国枝 史郎의 血煙天明陣(ちけむりてんめいじん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 191,184자 · 379화면
「いえいえ私こそは範之丞様! ……」と、今は絶体絶命のお吉、身を揉みながら声を絞った。
「九十郎の妾玉菊のお吉! それとも知らずあなた様とちぎり! ……悪縁! わたしゃア! おお私ア!」
するとこの時まで縁の上に立って、なお地団駄を踏んでいたお浦が、
「お兄イ様アーッ、お兄イ様アーッ、十二神のお兄イ様アーッ」
と、驚喜したように喚声をあげ、抱いていた木乃伊を抛り出し、縁を駈け下り走り出した。
見れば十二神貝十郎が、二人の配下を引き連れて、こっちへ一散に走って来ていた。
一揆の本陣の様子を見ようと、迂回して丘まで上がったところ、盆地の奥で荒々しく、男女の叫ぶ声が聞こえた。どうやら斬り合っているらしい。他領の出来事ではあったけれど、与力意識が働いて、事の真相を確かめようと、さてこそ走って来たのであった。
が、その三人のすぐの背後から、六人の人間が追いかけるように、走って来るのは何者であろう。
松平冬次郎の一団であった。すなわち冬次郎と熊太郎と、清三郎と勘助と、新助と外伝との一団であった。
と、この時銃声が、丘の背後鳳来川の方から、豆を炒るように聞こえて来た。