轻松读懂日语经典作品
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むすめえんじゅつし
娘煙術師
国枝 史郎
「朝日新聞」1928(昭和3)年8月26日~1929(昭和4)年2月22日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 267,766 字 · 530 页
私とて美しい娘を見れば、恋しくも愛らしくも思われます。いえいえもっともっと酷いことを、空想することさえもございます! 乳房を! 脛を! 抱擁をさえも!」
フラフラと小次郎は部屋をまわった。
「なんだか苦しくなりました。戸外へ出て歩いて参ります」
で、燭台の横を通って、クルリと鈴江に背中を向けて、小次郎は襖を引きあけたが、すぐに姿は消えてしまった。
と、履物でもはくらしい、あわただしそうなものの音が、玄関のほうから聞こえて来たが、歩いて行く音がつづいて聞こえ、門の潜り戸をあけたらしい音が、聞こえてそうして消えてしまった後は、なんの物音も聞こえなくなった。
「あの子はほんとに可哀そうだよ」縫い物の手を止めたままで、鈴江は口へ出してつぶやいた。
「いちずに思い詰める性質だからねえ。……よくないことでも起こらなければよいが」鈴江の心配は杞憂ではなかった。
というのは小次郎が月夜の町を、代官町まで彷徨って来た時、その代官町の露路の口から、数人の人影が現われて、次のような話をしたからである。その結果大事件が起こったからである。
代官松の乾児たち
山県紋也の邸を出て、雉子町の通りを東南へ下れば、吹矢町、本物町、番場町となって、神田川の河岸へ出る。