轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

むすめえんじゅつし

娘煙術師

国枝 史郎

「朝日新聞」1928(昭和3)年8月26日~1929(昭和4)年2月22日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 267,766 字 · 530 页

青空文庫

空屋敷焼き討ち

と、友吉も笑い声を立てたが、「老人で、鯨で、大学者だそうだ。そうして北条のお殿様にとっては、恐ろしい敵だということだ」

空屋敷焼き討ち

「北条の殿様の敵だとすれば、左近将監様にも敵にあたるわけだな」誰とも知れずに一人がいった。「お二人はグルだということだからな」

と「オイ」という声がした。友吉は急いでたしなめたのである。「ご老中様のお名前なんかを、大きな声でいうものじゃアないよ……だがお前のいった通り、糸をたぐるとそういうことになるなあ」

「左近将監様や北条の殿様の、敵にあたるというからには、自然代官松の親分にも、敵にあたるということになるな」――誰とも知れずもう一人がいった。「親分は北条のお殿様から、内々眼をかけられているのだからなあ」

「ということであってみれば、大学者で鯨で死んだ老人というのは、京師方の奴に相違ないなあ」誰とも知れずまた一人がいった。「将監様にしても美作様にしても、幕府のご権臣やお歴々で京師方の公卿衆の妄動ってやつを、敵として憎んでいられるのだからなあ」

「そうだよ」と友吉はうなずいてみせた。「大学者で鯨で死んだ老人というのが、京師方の人間だということだけは親分の口ぶりで確からしいよ。