轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ひのとびら
火の扉
岸田 国士
「時事新報」1944(昭和19)年1月1日~7日、1月9日~2月25日、3月1日~3月5日、3月7日~3月8日、3月11日~3月15日、3月18日~3月21日、3月25日、3月27日~3月29日、4月1日~4月3日、4月7日~4月11日、4月15日~4月19日、4月24日~5月4日、5月6日~5月9日、5月13日~5月17日、5月20日、5月22日~5月24日、5月27日~5月31日、6月3日~6月8日、6月12日~6月17日、6月19日~6月22日、6月24日~6月26日、6月28日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 129,467 字 · 257 页
昔の友人が、いつしよにどうだつていうわけです。兵隊上りの失業者にはもつてこいの仕事でして……」
「海軍ならわかるけど……」
「ところが、今度の戦争では、海軍の陸戦隊の向うを張つて、陸軍の軍艦つていうものをこさえましたからねえ」
「それで、お仕事は、好調なの?」
「まあ/\つていうところです。なにしろ、船一そうがもとでで、まだ雪のなかへバラックを建てたところなんですから……。あ、そんなことより、大佐殿のことは、実になんとも申しあげようがありません。奥さんにあれだけのことを伺つていながら、どうにもしようがありませんでした。面目ない次第ですが、もうあれだけの決心をされている以上、だれがどう言つても歯がたゝんでしよう。相変らずの鋭い頭で、ぴし/\やられるんですから、こつちが突つ込むすきがないんです。新聞にはくわしいことは出ていませんでしたが、島大尉から当時の様子をこま/″\と知らせてよこしました。大佐殿らしい、ご最期だと思いました。しかし、惜しいですなあ。あの頭脳をこれからの日本が失うことは……」
彼は、ひと息にしやべつて、急にあたりを見まわした。その様子を察して、彼女は言つた――