轻松读懂日语经典作品
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ひのとびら
火の扉
岸田 国士
「時事新報」1944(昭和19)年1月1日~7日、1月9日~2月25日、3月1日~3月5日、3月7日~3月8日、3月11日~3月15日、3月18日~3月21日、3月25日、3月27日~3月29日、4月1日~4月3日、4月7日~4月11日、4月15日~4月19日、4月24日~5月4日、5月6日~5月9日、5月13日~5月17日、5月20日、5月22日~5月24日、5月27日~5月31日、6月3日~6月8日、6月12日~6月17日、6月19日~6月22日、6月24日~6月26日、6月28日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 129,467 字 · 257 页
十一
た。
まず、奥の部屋にモトムの寝る場所ができた。
「お母さん、ヒデ子ちやんはどこへ寝るの?」
「さあ、お父さまとご一緒にお座敷へやすんでいたゞきましよう」
「こつちじやいけないの?」
「こつちは狭いからねえ」
「そいじや、ぼくもお座敷へ寝るよ」
「いゝえ、あんたはこつちでいゝの」
「いやだあ、ボク……」
母親と息子とのこんな押し問答を聞きながら、市ノ瀬牧人は、ついに決心をして暇をつげた。
「あすは雨かも知れんね」
坪庭の門を締めかた/″\送つて出た夫人に、彼はそう言つた。
空のおぼろ月を二人はみあげていた。
十一
夜具の用意はそれほどなく、客を二人泊めることは無理であつた。で、彼女は、息子のそばへ今夜はもぐりこむつもりでいた。ところが、子供たち二人は、どうしてもはなれようとしないのである。
「それじや、すこしきゆうくつだけれど、お隣りへヒデ子ちやんのおふとん敷きましようか」
と、康子は、中園に笑いかけながら、譲歩した。
「お父さまのお寝間着がないけれど、兵隊流におシャツでおやすみになつてね。主人はパジャマのない時は、いつでもそうでしたのよ。和服の寝間着は、足や腕がまくれていやなんですつて……」