轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ろうごくのはなよめ

牢獄の花嫁

吉川 英治

「キング」大日本雄辯會講談社、1931(昭和6)年1月~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,213 字 · 325 页

青空文庫

「何なりと、お訊き下さいませ」

「郁次郎は、長崎表に遊学中、何か、若気の過ちで、わしに言えぬ秘密を抱いて江戸へ帰って来たのではないか。……それを、五百之進殿とそなただけには、打ち明けたものと考えるが、どうだな」

花世の顔は、紙のように白くなった。ほつれ毛が、顫いた。

「い、いいえ……」

「それ、それ、それがいけない。郁次郎を、未来の良人と思って、庇ってくれるのは、うれしい人情だが、早い話が、わしに苦労をかけまいとして、すべてを、秘密にしていたために、こんな大事が湧き上がったのじゃ。間違いはそこからだ。禍根は、毛ほどな食い違いから起る。こうなった以上、何事も、包み隠しは、厳禁じゃ。話してくれい。渡してくれい。――鍵を。ことばを」

詰問るようでも、老先生のことばの底には、よい舅父らしい、優しさ、温かさが、あふれている。

花世は、その優しいことばに、かえって、激しい感情を揺たぶられたように、わっと、老先生の膝に泣きすがった。

「す! すみません! ……お舅父様! もう何もかも申しあげてしまいます。ですけれど、今は、心が取りみだれて、何からお話してよいやら分りませぬ。