轻松读懂日语经典作品
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ひかりはかげを
光は影を
岸田 国士
彼を待つもの「キング 第二十六巻第四号」1950(昭和25)年4月1日、はるかなる青春「キング 第二十六巻第五号」1950(昭和25)年5月1日、〔欠題〕「キング 第二十六巻第六号」1950(昭和25)年6月1日、兄の立場「キング 第二十六巻第七号」1950(昭和25)年7月1日、ある少女の役割「キング 第二十六巻第八号」1950(昭和25)年8月1日、父の孤独「キング 第二十六巻第九号」1950(昭和25)年9月1日、愛と死と生の戯れ「キング 第二十六巻第十号」1950(昭和25)年10月1日、運命に逆うもの「キング 第二十六巻第十一号」1950(昭和25)年11月1日、変転の外に「キング 第二十六巻第十二号」1950(昭和25)年12月1日、この日あるがために「キング 第二十七巻第一号」1951(昭和26)年1月1日、二つの未来図「キング 第二十七巻第二号」1951(昭和26)年2月1日、希望の羽ばたき「キング 第二十七巻第三号」1951(昭和26)年3月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 138,262 字 · 276 页
母は癇性といえるほどの綺麗好きで、また、料理の天才であつた。母の手料理は、なんでもうまかつた。膳が淋しい時でも、実に巧妙な味と色彩のとり合せで、ありふれた料理を引きたゝせ、みなの食欲を弾ませる術を心得ていた。母は、若い頃の写真でみると、下町風の美人という型である。日本橋のさゝやかな旅館の娘だつた。父は、これまた青年教師の時代に、なんの関係か、上京の毎にしげしげこの旅館に宿をとり、そこから、お茶の水や竹早町の講習会場へ通つたのだという、問わず語りの話を聞いたことがある。
京野等志が、そんなエピソードをふいと想い出した時は、高円寺の駅の灯が、もうすぐ先に見えた。青梅街道を中野へんから右に折れて、学校時代の親友の一人が住んでいた下宿のあたりを、当然あと形もないものときめながら、ちよつと歩いてみたかつたのである。彼は、入営の前日、その下宿を訪れた。彼も間もなく応召したという通知があつた。それから、満洲で一度、近くどこかへ連れて行かれるらしいという消息を得たきり、ぱつたり、行先がわからなくなつた。
その下宿のあつたあたりは、まだ家も建つていない、荒れ果てた畑になつていた。