轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

むすめえんじゅつし

娘煙術師

国枝 史郎

「朝日新聞」1928(昭和3)年8月26日~1929(昭和4)年2月22日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 267,766 字 · 530 页

青空文庫

「おびただしくも酔いにけり――酔うということはよいことさ、芸に酔い術に酔う。いつもいつも醒めている奴は冥利や金ばかりにかじりつく。ハッハッハ、陶然と酔えよ」今度は無邪気に酔眼をあけて、体のまわりを眺めやった。と、足もとに芍薬の花が十数本の青い茎の上に、群れて白々と咲いていた。微風が渡っているからでもあろう、花の群れが頭を振っている。

「芳香が高くて純潔で、雑気のない白芍薬の花よ! 俺はお前が大好きだよ。その根が人助けの薬になる。何から何までもいい花さ」――だが嘉門は先へ進んだ。

※(歌記号、1-3-28)柳の下のおちご様は、朝日にむこうてお色が黒い……

小舞物の古雅な「柳の下」を微吟しながら歩いて行く。

※(歌記号、1-3-28)お色が黒くば笠を召せ……

蹣跚として歩いて行く。と、またもや左のほうへ、ヒョロヒョロヒョロヒョロとよろめいた。

「どっこい」というと同じように、嘉門は足を踏み固めて、そうして両膝へ両の拳をついたが、あやうく転ぶのをまぬがれたのである。と、ヒョイと前を見た。牡丹桜の老木が立っていた。すでに季節は過ぎていたので、枝にも梢にも一面に、花はなくて新葉が萌え出ていた。