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にっき
日記
宮本 百合子
23 一九三九年(昭和十四年)
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 28,069 字 · 57 页
一月十日
一月十一日
それはそうだろうと思い、だが自分はこんなところへかえって来て眠れる、と思っていたら眠れず。二晩薬をもらった。そのときのことを思い出した。誰が待っていなくても眠れず、誰が待っていなくても何となし落付かない、そこに何だか人間の哀れさ愛らしさがある。
一月十日(火曜)
本日午後退院。うちの寒いのにびっくりした。0度なり。庭がすっかり霜げているのにもびっくりした。
Sweet But Cold でアイスクリーム・ホームだねということになる。
うちへかえっていつものところに座ると、気持が病院とはすっかりちがって来る。責任を感じだす。中心であるという気になって来る。
文春より原稿をかけと云って来る。書くつもりなり。本年はすこしは書けるようになろうか。しかし、それで生活するだけは書かせまい。農民へと同様、生かさず、殺さずの口か。
一月十一日(水曜)
〔受信〕第二信、どうしたのか吉祥寺の消印あり
うちに落付かず。終日茶の間で暮す。栄さん来。てっちゃん来。赤ちゃんの片目に白いくもりがかかっている由。
ひる頃国、来。いろいろ入院のときあずけたものをもって来てかえし、御慶祥とした包みをお祝としてくれた。