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にっき
日記
宮本 百合子
23 一九三九年(昭和十四年)
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 28,069 字 · 57 页
八月八日
私たちは、菊池寛が月収千という収入だということは問題にしない。作家同志のことは問題にならない、そういう点での自信はあるから。だが世間一般として「安心してすじの通った貧乏がしていられない」雰囲気と直接の関係ではよくわかると思う、やはり生活のことがわかる。
話しているうちにふーっと小説がかきたくなって来た。若夫婦、子供一人、きょうの世の中、妻君の親たちの考えかた。若夫婦の考えかた、つとめさきでのありさまなど。
八月八日(火曜)
〔受信〕四日づけの手紙
『グラフィック』のために「この夏のこころ」四枚かく。
○この次の分(文芸)すぐ大正のはじめ(白樺など)にとばず、もうすこし日本のロマンティシスムと婦人の生活にふれてゆくことにする。
ロマンティシスムをつくらず入って行ってそれに消耗された俊子の自然発生的なところ。又神近のあの「さめよという声は呪う声です」の社会性など。ジョルジ・サンドなどにくらべて。又ドイツのロマンティック運動にくらべて。
○『婦人画報』の人、藪で一問一答というから行ったら(夜八時半)顔そろわず、おまけに藪休みでながれる。
〔欄外に〕
面会。小さい花、小さい花、いくつも。