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にっき
日記
宮本 百合子
23 一九三九年(昭和十四年)
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 28,069 字 · 57 页
七月二十三日
の云いかたをし、秋笹は頭を変にロジカルに(形式的)うごかして固定観念を築き上げてゆく。しかし、特定の人間にあれだけ偏見をもちながらも、狂い切らず、正当な公的な点を失っていないところ感動に似たものを感じた。
七月二十三日(日曜)
〔発信〕六十八信
○秋笹という人、その人に対する栗林。この関係には一口に云えないものがある。秋はじめ、栗が裁判所と通牒していると云って拒絶したが、栗は辞任届出さず。
秋笹に「山本正美もすっかり転向しましたよ」と云ったよし「云いいいようにしてやろうと思いましてね」秋で立てようとしている栗の面子。そういうものを感じる。こういう関係は、まさにバルザック的プラス何かである。秋は自分の疑いへの偏執からかえって足をすくわれて気がよわくなってしまっている。そこに結びつく栗、栗の他の面への売りこみ。その売りこみでは長尾の嘲笑というようなものを利用している。それと「思い知ったでしょう」という気の結びつき。
〔欄外に〕
秋の気のまわしかたのロジカル性は――それだけで機械的に組立ててゆく観念性。それで運動に入ったのでもある。――理論的でもないし人間心裡の洞察でもない。