轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

やなぎばしものがたり

柳橋物語

山本 周五郎

前編「椿 創刊号」山本周五郎一人雑誌、1946(昭和21)年7月<br>中・後編「新青年」1949(昭和24)年1月~3月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 104,300 字 · 202 页

青空文庫

誰が見ても眼をそむけたくなるあさましい恰好である。松造は麦藁で作った兎の玩具を幸太郎に与え、莨入をとりだしながらおせんの顔を見た。

「あたしのお友達ですの」おせんはとりなすように小さな声で云った、「――お針にいっていたじぶんの仲良しなんです、ゆうべひどく酔って来て苦しそうだったもんですから」

松造は黙って莨をいっぷくした。それから立っていって土間へおり、持って来た包をそこへひろげた。大根や蕪や人参や里芋などの野菜物に、五升ばかりの米と小豆と胡麻と、ほかに切った白い餅が、かなりたくさんあった。

「寒の水で搗いたから黴やしめえと思うが、水餅にして置くほうがいいかもしれねえ」まるで怒ったような声で彼はそう云った、「――もっと早く来るつもりだったが、あれから足を病んだもんで……」

「足をどうかなさったんですか」

「冬になると痛むだ、大したことじゃねえ、二三年出なかったっけが、――水のあとの無理が祟ったらしい、死んだ親父もこうだった」

そんな話をしているとおもんがむっくり起きた。そして黙ってよろよろと土間へおりた、おせんが吃驚してついてゆくと、ばらばらに髪のかぶさった顔でこっちへ振返り、