轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ろうごくのはなよめ
牢獄の花嫁
吉川 英治
「キング」大日本雄辯會講談社、1931(昭和6)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,213 字 · 325 页
絶望的な大きな息が、その肋骨に波を打った。
「おからだに触るとよろしくない。老先生、ご子息も、ああ言って、固く覚悟をしているものを、この上、おことばが過ぎるのは、かえって、最期を苦しませるようなものではござらぬか」
東儀与力にそう言われて、老先生も、悲しげにうなずいた。
「取りみだして、面目ない。……がこの上には、親として、もう一つ、最後の手段を講じてみたい。それは例の唖男と、郁次郎の紙入れを掏った別府の新七という掏児をここへ呼んで、対決させてみたいと思うのじゃ。何と、ゆるして下さらんか」
「でも、唖男は、あの不具者でござるが」
「江漢が多年の経験による一つの吟味法をもって、きっと、唖にも口を開かせてみせる」
「では、あれは、偽唖なので」
「いや、偽唖ではあるまいが、その本体を、調べ上げて見せるというのじゃ。両名をすぐにここへお曳き下さい」
主計頭は、それをも許した。
だが――二人を曳き出すべく、彼方の棟割牢の方へ走って行った東儀与力は、すぐに、顔いろを変えてそこへ戻って来るなり、
「お奉行! また奇怪なことが持ち上がりましたぞ」
と、呶鳴った。
「何事じゃ。奇怪なとは」