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Japanische Klassiker mit Furigana

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みみずのたわこと

みみずのたはこと

徳冨 健次郎

Lesen Sie みみずのたはこと (みみずのたわこと) von 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 265.437 Zeichen · 530 Bildschirme

Aozora Bunko

持て帰って、古箪笥の奥にしまって茶一ぱい飲むと直ぐ畑に出なければならぬ。

空ではまだ雲雀が根気よく鳴いて居る。村の木立の中では、何時の間にか栗の花が咲いて居る。田圃の小川では、葭切が口やかましく終日騒いで居る。杜鵑が啼いて行く夜もある。梟が鳴く日もある。水鶏がコト/\たゝく宵もある。螢が出る。蝉が鳴く。蛙が鳴く。蚊が出る。ブヨが出る。蠅が真黒にたかる。蚤が跋扈する。カナブン、瓜蠅、テントウ虫、野菜につく虫は限もない。皆生命だ。皆生きねばならぬのだ。到底取りきれる事ではないが、うっちゃって置けば野菜が全滅になる、取れるだけは取らねばならぬ。此方も生きねばならぬ人間である。手が足りぬ。手が足りぬ。自家の人数ではやりきれぬ。果ては甲州街道から地所にはなれた百姓を雇うて、一反何程の請負で、田も植えさす、麦も苅らす。それでもまだやり切れぬ。墓地の骸骨でも引張り出して来て使いたい此頃には、死人か大病人の外は手をあけて居る者は無い。盲目の婆さんでも、手さぐりで茶位は沸かす。豌豆や隠元は畑に数珠生りでも、もいで煮て食う暇は無い。如才ない東京場末の煮豆屋が鈴を鳴らして来る。