Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme
と言って泣く者が多いのです。こんな時に、お松はかえって涙を隠す女でした。そうして、一層の雄々しさを見せて、人を励ますことのできる女でした。
「皆さん、会うは別れのはじめ、別れは会うことのはじめですから、どこの土地へ行きましょうとも、また御縁があれば、いつでも会われます、一旦はこうして立っても、またおたがいに、いつでも手を取り合って楽しめる時が来るに違いありません」
与八から言われたことをうけうりのようにして、お松が一生懸命に人々の心を励ましました。
その翌日は、もう、運ぶだけのものを馬に積んで、乳母と子供は駕籠に乗せ、お松はあるところまで馬で――七兵衛は途中のいずれかで待合わせるということにして、幾多の村人や、教え子に送られて、この地の土になるのかと思われていたお松は、綺麗にこの地を立ってしまいました。
与八も、送ると言って、江戸街道まで姿を見せたには見せたけれども、自分が昔捨てられたという新町街道のあたりへ来た時分には、もう与八の姿は見えませんでしたが、お松は声をあげて、与八の名を呼ぶ勇気がありません。あの捨子地蔵のあたりへ来ると、面を伏せて声をのみました。