Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme

Aozora Bunko

そこへ行くと、あの女は、金があると、まるで、色気づいてしまって落着いてはいない。無い時は悄気返って小さくなっているが、いざ、いくらか身についたとなると、あのはしゃぎようは――そうして、勝負事に注ぎ込むんだ。買物なんぞはたかの知れたものだが、あの女は、相手かまわず勝負事に目がない。

だが、やりたければ、やれ、やれ、ばくちでも、ちょぼ一でも、うんすんでも、麻雀でも、なんでもいいから勝手にやれ、こちとらは、もうそんなことで慰められるには、甲羅を経過ぎている。

ばくちでも、ちょぼ一でも、焼けついていられるうちが花なのだ。七兵衛から捲きあげたあぶく銭、いくらあるか知らないが、あの女の勝負事に使った日には、いくらあったって底無し穴へ投げ込むようなもので、遠からず、また壁へ馬を乗りかけるのは知れている。そうなった時分に、また同じような荒みきった生活が繰返される。

いやになっちまうな……神尾主膳は乗物の中で、こんなことを考えると、いよいよいやになり、引返そう、屋敷へ引返して、字を書いてでもいた方がましだ、字に飽きたら、子供をおもちゃにして遊ぶことだ、毛唐屋敷が何だ――こんなことを考えながら、額に滲む汗のところへ手を当ててみると、ザクリとその指先に触れるものがある。