Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme
「一杯ぐらいはよかろう、ほんの一杯飲ませてくれ――相手の来るまでの退屈しのぎにな」
「少しぐらいならかまいません」
「許してもらえるかな」
「飲み過ぎて、酒乱を起しさえしなければ、差支えはございません」
「差支えないか」
主膳は、お茶屋へ、酒飲みの請願に来たような心持で、いっそ、多少の愛嬌をさえ感じたらしく、
「さしつかえなくば、ほんの少々のところ、お下げ渡しが願いたい」
「お待ちなさい、わたしが、おっかさんに相談して、差上げていいと言われたら、差上げることにいたします」
「そうか、では、おっかさんに相談して、ほどよいところを少々、お恵み下し置かれたいものだ」
「待っておいでなさい」
大女は、のっしのっしと出て行ったが、その後で、神尾主膳は呆れがとどまらない。
それでも、しばらくして、酒盃をととのえて来て、主膳をもてなすだけのことはしました。
お酌もすることはするが、どこまでも、自分が監視して飲ませるのだ、特にこのお客に限っては、本部からの監視命令があって、飲ませるには飲ませても、程度がある――といった申附けを、露骨に遵奉している手つきが腹も立たないで、いよいよお愛嬌だ。