Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme
それを飲みながら神尾主膳が、ニヤリニヤリと大女の形を見ていると、その大女が、
「そんなにわたしの身体ばかりを見ておいでになっては、溶けてしまいますよ」
「あ、本当だ、そら溶け出した、溶け出した」
九十
「は、は、は、は」
神尾主膳が、またも突然高笑いをした時に、力持のおせいが飛び上って慄え出しました。
これは実に、怖るべき酒乱が突発して来る前兆でありましたけれど、はじめてこの人を見るおせいとしては、その主膳の怖るべき酒乱の予感から、怖れて飛び上ったのではありません。「は、は、は、は」と笑い出した途端に、主膳の三つの眼が、ギラギラと光り出して、脇息に肱を持たせている主膳の姿が、急に大女の自分をさえ圧迫するほどの大きさになったから、慄え上って飛び出したものです。
「あ、三ツ目入道……」
その瞬間に、そう思ったのです。よくお化け話で聞いておどかされている三ツ目入道というのがある、絵草紙でも見たが、あれだ、この人はその三ツ目入道だ、これは人間ではない、怖ろしいお化けだと感じました。
そこで、監視役も、取押え方心得も、盃も、盤もおっぽり出して、下の座敷へ逃げ下りてしまいました。