Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme

Aozora Bunko

これも、身心悦可柔軟という気持の一つでございましょう」

普通、今晩は……だけの挨拶で済むべきところを、一口にこれだけのお喋りをしながら、一座に向って、ていねいにお礼を申しましたから、まだ弁信をよく知らない一座は、なんとなく異様に感ぜしめられました。

「弁信さん、まあ、こっちへおいでなさい、さあ、ここでおあたりなさい」

と弁信を導いたものは、北原賢次です。

「はい、有難う存じます、いえ、もう、こちらで結構でございます」

「遠慮なさらずに、こっちへいらっしゃい、さあ、手をとってあげましょう」

「いいえ、それには及びませぬでございます。では、せっかくのおすすめでございますから、それに従いまして、遠慮なく罷り出ますでございます」

「あぶないですよ」

「いいえ、大丈夫でございます、眼はごらんの通り不自由でございますが、御方便に、勘の方が働きますものでございますから」

「いや、何しても、無事でお前さんがここへ来られたことは、奇蹟というてもいい」

「はい、わたくしと致しましても、不思議の感がいたすのでございます」

こう言って、弁信法師は炉辺に近いところへ、にじり出でて、ちょこなんとかしこまりこんでしまいました。