Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme
勿来の関は埋もれて
萩のうら葉もうら淋し
但し、ここで白雲の口頭に上った微吟の歌には、なんらの意義がない。さし当り口を突いて出て来た調子のままに、口あたりよき雅言が、詠歎的に歌調をなしたまでのことで、つまり多少とも、清澄の茂太郎にかぶれたものと見ておけばよい。
立ち尽して、白雲はただ蒼茫たる行手の方のみを、暫く見つめていました。
「遠くも来つるものかな」
やはりその旅情を、如何ともすることができないらしい。
十三
西に眼を転じて、自分は、安房の国、洲崎浜の駒井甚三郎の食客となっている身で、それに相当の暇を告げて、立ち出でて来た旅中の旅路であることを憶いました。
駒井に暇を告げる時は、香取鹿島から、水郷にしばしの放浪を試み、数日にして帰るべきを約して出て来た身なのです。それが、鹿島の浦で興をそそられて、奥州松島を志し、「勿来」の関まで来てしまったことが、我ながら「遠くも来つるものかな」の自省を促さざるを得ないものとなったのでしょう。
更に東へ眼を転ずると、そこは涯りのない海です。
海はいつも同じようなことを教える。渺たる滄海の一粟、わが生の須臾なるを悲しみ、と古人は歌うが、わが生を悲しましむることに於ては、海よりも山だと白雲は想う。