Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あさくさふどき

浅草風土記

久保田 万太郎

Lesen Sie 浅草風土記 (あさくさふどき) von 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.294 Zeichen · 318 Bildschirme

Aozora Bunko

――そういったものが、いろいろとその路地の中に暮しています。

横町に古くいた常磐津のお師匠さんで、貰ったむすめの悪かったばかりに、住み馴れたうちを人手にわたし、いまでは見るかげもないさまになって、どこかの路地に引っ込みました。――が、ときどきなお、近所の洗湯に、よぼよぼ行くすがたがみえます。

ある路地のなかには真間という代用学校が残っています。

公園の浪花踊という見世もの、阪東なにがしという女役者の座頭のうちがありましたが、じき越して行ってしまいました。始終表の戸を閉めて簾をかけていました。あれでは随分暗いだろうという近所の評判でしたが、なかで、ときどき、立廻りの稽古なんかをしていたそうです。いまでは、そのあとに、女髪結が越して来ましたが、夏になると、二階に蚊帳を釣って、燈火をつけて、毎晩のように花を引いています。冬ばもやっているのかも知れませんが、戸を閉めてしまうから分りません。一度手の入ったことがありましたが、相変らずやってるようです。――活動写真の弁士といったような男や、髪だけ芸者のように結った公園あたりの女が、始終出入をします。

風の加減で、どうかすると、公園の楽隊の音がときどき、通りを一つ越して、その辺りで途切れ途切れに聞えて来ます。