Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あさくさふどき

浅草風土記

久保田 万太郎

Lesen Sie 浅草風土記 (あさくさふどき) von 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.294 Zeichen · 318 Bildschirme

Aozora Bunko

三社さま

灰になってしまいました。そしてわずかに、二天門と、三社さまと、披官稲荷と、そして淡島堂とだけが残りました。

“第七図”は、二天門と、馬道のほうからみたその附近の荒廃しきった光景とであります。

去年のいまごろと、おととしのいまごろと、さきおととしのいまごろと、ちッともかわっていないのが……それほどいまだに救いの手のさしのべられていないのがこのあたりの業であります。いま以て、みわたすかぎりの焼けはらといわざるをえないなかにポツンと立った、このとり残されたみなし児のような朱の門は、心からその業をかなしんでおるのであります。

三社さま

“第八図”の噴水塔のかなたに遠くみえるのは三社さま……浅草神社の側面であります。

観音さまを失って、三社さまは、これを人でいえば、めッきり急に年をとった感じであります。……それほどこの社は色が褪め、わけもなく古ぼけました。

それにしても、この噴水塔の水が噴かなくなって何年になるだろうと思いつつそのまえに立ったとき、かつてはまんまんと水をたたえた円盤の中の、おち散ったひぞり葉を蹴ちらしつつ、子供が一人、しきりに三輪車を走らせていたことであります。