Japanische Klassiker mit Furigana
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あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
Lesen Sie 浅草風土記 (あさくさふどき) von 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.294 Zeichen · 318 Bildschirme
隅田川両岸
吾妻橋
――それほど、わたしは、この詩の中に、わたしのいう「新しい浅草」の、強い、放恣な、健康な、新鮮な、生き生きした息吹をはっきり聴くことが出来るからである。――そうしてその、強い、放恣な、健康な、新鮮な、生き生きした息吹こそ、これからの「新しい浅草」を支配するであろうすべてだからである。
むしろ此の世の機動力に斯る盲目の一要素を与へたものゝ深い心を感じ、
又随処に目にふれる純美な人情の一小景に涙ぐみ、
と、この詩の作者はそのあとにまたこう歌っている。
「新しい浅草」と「古い浅草」との交錯。――そういったあとで再びわたしはいうであろう……つぶやくように、寂しく、わたしはこういうであろう。
……忘れられた吉原よ!(昭和四年)
隅田川両岸
吾妻橋
浅草に住むわれわれ位の年配のものは、吾妻橋の、いまのような灰白色の、あかるい、真ったいらな感じのものになったことをみんな嘆いている。なぜなら、かれらの子供の時分からみつけて来た吾妻橋は、デコデコの虹梁をもった、真っ黒な、岩畳をきわめたものだったから。……みるからに鬱然たる存在だったから。……
ということは、雷門に立って遠く東をみるとき、つねにその真っ黒な、岩畳をきわめたものが、その鬱然たる存在が、郵便局のまえの人波のかなたに、せせッこましくその行くてを遮っていたのである。