Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あさくさふどき

浅草風土記

久保田 万太郎

Lesen Sie 浅草風土記 (あさくさふどき) von 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.294 Zeichen · 318 Bildschirme

Aozora Bunko

三

――一たい、この界隈、鮨屋はべつとして、外には何が行われているんですか?

という質問を、鈴木、内野、両君のまえにもちだす前置にしたかったからである。

――さァ?……

と、両君は、顔をみ合せて、

――釜めし屋がおどろくほど殖えました。

――支那料理屋は?

――ちゃんとした支那料理屋はごくわずかで、いまあるのは支那蕎麦屋……ああ、それと餃子屋……

――天麩羅屋は?

――公園まで行けば。で、このへんにはありません。

――洋食屋は?

――みんな喫茶店になって、むかしのような洋食屋はなくなりました。

と、鈴木君のいったとき、

――比良恵軒の蠣フライはうまかったなァ……

突然、内野君は、悵然としていった。

これよりさき、ぼくは、つぎのような文章を書いたことがある……

“ぼくの育ったころの浅草には……明治三十年代の浅草には、雷門に近い並木の通りに芳梅亭という店のあったきり、西洋料理店らしい西洋料理店は一けんもなかった。あるのはお粗末な一品洋食店ばかりだった。……ぼくの西洋料理に関する最初の知識は、だから、残念ながら、仲見世から公園にかけての、そうしたほうぼうの小さな店からつぎこまれたのである。