Japanische Klassiker mit Furigana
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あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
Lesen Sie 浅草風土記 (あさくさふどき) von 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.294 Zeichen · 318 Bildschirme
六
今日の吉原は到底 Romantik の舞台ではない」
いまは亡き小山内〔薫〕先生、嘗て『世話狂言の研究』の「三人吉三」のくだりでこうしたことをいわれた。いまはその「花魁の肖像」も覗き棚のなかに収められて一層商品化し、「カチューシャの唄」は「ソング・オブ・アラビー」にまで幾変遷して、いよいよ低俗になった。――そうした内容をもつ「吉原」の、なにがし酒場と、なにがし牛鳥料理店とによってまずその入口を支持されるということは、あまりにこれ、ことわりせめてあわれではないか。――しかもそのなにがし酒場のまえ、うつし植えられた「見返り柳」のそばに立てられた磨硝子のたそや行燈、老鼠堂機一筆の立札。――その立札のうらにしるされた一句をみよ。
きぬ/\のうしろ髪ひく柳かな
この気の毒な老宗匠は器用にただ十七文字をつらねる職業的訓練以外になんにも持っていない。
……風の落ちた、冬の日の暮ほどわびしさのつのるものはない。――わたしは、そのままなお、大門を横にみつつあてもなく三の輪のほうへあるきつづけた。
六
…………
…………
まあおとうさんお久しぶり、そつちは駄目よ、ここへお坐んなさい……