Japanische Klassiker mit Furigana
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あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
Lesen Sie 浅草風土記 (あさくさふどき) von 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.294 Zeichen · 318 Bildschirme
六
が、すぐ、いそいでまた外へ出ました。――蛇です、蛇つかいです……
六
そのあと、第四の、第五の、第六のそれぞれの輪の中を覗いてあるきました。が、どれもすべて一ト眼では要領のえられないものばかり、五分と十分その饒舌るのを聴くのでなければ何を売るのか、何をしてみせるのか、かいくれ見当のつかないものばかりでした。と同時にかつての猫八のような、松井源水のような、ああした身についた芸……とにかく芸とよぶことの出来るもの、一流の、外にどこにも類をもとめることの出来ないことさらなもの……そうした技術……そうした、すぐれた、錬磨された技術をみせたり聴かせたりする寂しい漂泊者を、その広っ場の、どこにもわれわれ見出すことが出来ませんでした。――失望してわれわれ、最後の大きな輪……多分には、いずれは字でも書いて見せたんでしょう、うしろ鉢巻の、汚れくさったワイシャツ一つの男が細長い紙を地べたに拡げて、何か矢っ張、しきりにそう講釈をいっている群のなかを出抜けたとき、たまたまそこに、あたりのそうしたいたずらな人だかりに頓着せず、おでんや、パンや、アイスクリームや、そうした身近に散在するものの折々の異動にも心を止めず、薄い茣蓙のうえに一人つつましく足を組んで熱心に鋸の目を立てている老人のいるのをみつけました。