Japanische Klassiker mit Furigana
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あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
Lesen Sie 浅草風土記 (あさくさふどき) von 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.294 Zeichen · 318 Bildschirme
カツ・テキ・ハヤシ……
一
来月は、もう、お酉さまです。(ことしは朔日が一の酉にあたります)お酉さまがすぎれば、すぐ、もう、観音さまの市です。
御健康をお祈りいたします。
十月十二日
友治”
……そうか、広小路に植わっている木は、すずかけだったのか?……と気がついたとき、同時に、
――三年一ト変り、三年一ト変り……
とわれ知らずつぶやく自分を、ぼくはみいだしたのである。
カツ・テキ・ハヤシ……
一
「浅草広小路」を書いたあとで、ぼくは、旧友、鈴木友治君と、内野良男君とに逢う機会をえた。
鈴木君については「浅草広小路」のなかにしるした。内野君というのは、嘗て、「雷門以北」のなかに“……薬種屋の赫然堂あって、いまなお、あたまの禿げた主人が家伝の薬をねっている”と書いた、その赫然堂の二番目の息子さんで、いまでは店を止し、神田のほうの大きな製薬会社の宣伝部長をしている紳士である。お父さんにわるいところが似て、まだ四十代であろうのに、すッかり、もう、つるつるに禿げているのが、ぼくにとっては、今昔の感に堪えなかった。
で、この二人の旧友に逢って、ぼくは、嘗ての“浅草広小路”が、いかにおおくの稲荷の祠をもっていたかということをおもいださせられた。