Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あさくさふどき

浅草風土記

久保田 万太郎

Lesen Sie 浅草風土記 (あさくさふどき) von 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.294 Zeichen · 318 Bildschirme

Aozora Bunko

四

尚、いまあげた三げんの宿屋の外に、もう一けん、雷門寄りに、大金屋といううちがあり、そこにお秋さんという娘さんがいた。何んと、この人が、最近、高杉早苗女史のおっ母さんとして、ぼくのまえにあらわれたのである……と、いまだから面白そうにこういえるので、ふり返って、「雷門以北」を書いた時分を思ったら、そうした女優は、この世にまだかげもかたちもなかったわけの、おもえば果ないはなしである。……いいえ、果ないといえば、東日出子という帝劇の女優のむかしあったことをおぼえているものが、いま、何人あるだろう?……かの女は、伝法院横町の、写真屋のむすめだったのである……

四

この夏、日本演劇協会のあつまりが、浅草の、しかも雷門に近い、あるキャバレーにあった。丁度いいから、ぼくは、すこし早めに出かけ、昭和二十九年八月現在の“広小路”をあるいてみた。……ということは、同時に、それとなく、わが友ちゃんの家のまえを通ってみようと、ひそかにぼくは思ったのである。

で、まず、ぼくは、右っ側の町々の、嘗ての日、吉見屋の、赫然堂の、馬車会社、後に電気局の、浅草館の、松田、後にカフェエ・オリエントのあったあとに、いちいち立留ってみた。