Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
Lesen Sie 浅草風土記 (あさくさふどき) von 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.294 Zeichen · 318 Bildschirme
二
その右に黒紋付、坊主あたまの、眼鏡をかけた若い三味線弾きがすわっている。左に薄いろの着附、桃割れに結ったもう一人の少女が太鼓をまえにしてすわっている。
岡田小宗。そう書いた名まえ札が出ている。――何とよむんだろう? 小そうとよむんだろうか?
……すぐ安来ぶしをうたいはじめた。
どうして、どうして……
あら、どッこいしょ……
見物は、欣然と、手をうってそれに和した。――場内、急に、放たれたように、夜の明けたように色めき立った。
……麦藁帽子の波。
が、悲しいことに、われわれにはうたわれるその唄の文句がかいくれわからない。――耳をつらぬくようにその声は聞こえた。でもその文句はあらしに消される雨の音ほども聞こえなかった。
なぜだろう?
幕はしまってすぐあいた。――いまのお下げの少女が太鼓にまわり、三味線弾きも年をとると一しょに唄い手もハイカラに結った中婆さんになった。
……山の手の奥さん……
そういう声がかかった。
二
勉強しろよ、ばばァ……
剥げるぞ、おしろいが……
いやじゃありませんか……
そうした声々が、つづいて起った。そうして、そのあと、それらを圧倒するやさしい一ト声が舞台へなげられた。