Japanische Klassiker mit Furigana
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あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
Lesen Sie 浅草風土記 (あさくさふどき) von 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.294 Zeichen · 318 Bildschirme
白髯の渡し
……いないんですわ、もう……」
「大将、また、しくじったかな?」
「そうかも知れませんね」
「人間、そうなると、目さきのみえすぎるのもよしあしだ」
「みえすぎるから、つまり、遣りすぎることにも……」
「そうなんだ。……始終はそういうことになるんだ。……だからこまる。……」
……たまたまみてすぎた一けんの、夕飯のいますんだあと、主人が妻楊子を噛みつつ夕刊をよみ、細君が、袂の端をくわえてチャブ台の上のよごれものを片附けているけしきが、わたくしに以上のような会話を空想させた。……この会話に七月の夜の蚊遣線香の濃い匂のまつわるべきはいうをまたない。
白髯の渡し
白髯の渡し。……隅田川に残っているたった一つの渡しである……といっても、それとて、むかしのまんま残ってはいないのである。……むかしのことにして、いまは、七八間川下にその位置を占めているのである。そこには、「白髯の渡し」としるしたものの代りに「土木局浅草出張所材料置場」としるした棒杭が立っている。……はッきりいえば、だから、そこは決して「白髯の渡し」の上り場ではなく、「土木局浅草出張所材料置場」の一部に、たまたま「白髯の渡し」