Japanische Klassiker mit Furigana
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あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
Lesen Sie 浅草風土記 (あさくさふどき) von 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.294 Zeichen · 318 Bildschirme
仁王門
そして、その行くての空に、伝法院のいちょうの額ずくごときしげりの影をしたがえた仁王門が……これだけは昔ながらの丹の褪せた建てものが、おりからの夕日に映えて、
軍用機献納……
楼上高くかかげられたかりそめの額のその緊急な五文字とともに、遠く、くッきりとうかんでいる。”
その仲見世が、いまや、“第五図”のような仲見世になってしまったのであります。正面にみえるのが、仁王門を失い、樹木のかげをうしなったむきだしの観音さまの、小さな、模型のような感じしかしない仮の本堂であります。
この本堂のまえで……“二月四日、節分会執行、当山”という掲示のでておるまえで、わたくしは、『昭和二十三年九星便』と、高島易断講究所本部編纂の『昭和二十三年運命暦』とを、いともきたなく老いた女の手から買いました。一たい幾らだろうかと、値段が知りたかったからであります。
いくらだったとお思いになります?
一冊十五円。
二冊一ト組で三十円。
仁王門
“第六図”は、「樹蔭」二十七回目の挿画であります。この図柄は、とくにわたくしが久保さんに註文をだし、大提燈を中心にした仁王門の一部を描いてもらったのであります。