Japanische Klassiker mit Furigana
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あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
Lesen Sie 浅草風土記 (あさくさふどき) von 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.294 Zeichen · 318 Bildschirme
二
そこのそうしたさまになったと一しょに、伝法院の横の、木影を帯び、時雨の情をふくんだその「細工場」は「ハッピー堂」と称する絵葉書屋になった。――その飾り窓の一部にかかげられた「各博覧会賞牌受領」の額をみて立つとき、わたしのうなじにさす浅草の夕日の影は、いたずらに濃い……
「伊勢勘」で出来る品ものは「子供だまし」という意味での「大人だまし」である。絵馬だの、豆人形だの、縁起棚だの、所詮それらは安価な花柳趣味だけのものである。かつての「武蔵屋」のそれが露にめぐまれて咲いた野の花なら「伊勢勘」のそれはだまされて無理から咲いた「室」の花である。でなければ糊とはさみとによって出来た果敢ない「造花」である。……わたしにいわせれば、畢竟それは「新しい浅草」の膚浅な「殉情主義」の発露に外ならない……
が、一方は衰えて一方はさかえた。――いつのころからか「助六」と称するそれと同じような店まで同じ「仲見世」に出来た……
二
だが、「大増」のまえの榎のしげりの影がいかに貧しくなっても、絵草紙屋がいかに少くなっても、豆屋が減っても、名所焼屋がふえても、「伊勢勘」がさかえても、そうして「高級観音灸効果試験所」