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Japanische Klassiker mit Furigana

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みみずのたわこと

みみずのたはこと

徳冨 健次郎

Lesen Sie みみずのたはこと (みみずのたわこと) von 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 265.437 Zeichen · 530 Bildschirme

Aozora Bunko

(六)蛇出穴

(七)仲春

彼岸入りで、団子が出来た。

墓参が多い。

夕方、静になった墓地に往って見る。沈丁花、赤椿の枝が墓前の竹筒や土に插してある。線香の烟が徐かにって居る。不図見ると、地蔵様の一人が紅木綿の着物を被て居られる。先月幼な娘を亡くした松さんとこで被せ申したのであろう。

(六)蛇出穴

三月二十八日。

近来の美晴。朝飯後高井戸に行って、石を買う。武蔵野に石は無い。砂利や玉石は玉川最寄から来るが、沢庵の重石以上は上流青梅方角から来る。一貫目一銭五厘の相場だ。択んだ石を衡にかけさせて居たら、土方体の男が通りかゝって眼をり、

「石を衡にかける――驚いたな」

と云った。

午後は田圃伝いに船橋の方に出かける。門を出ると、墓地で蛇を見た。田圃の小川のの下では、子供が鮒を釣って居る。十丁そこら往って見かえると、吾家も香爐の家程に小さく霞んで居る。

今日は夕日の富士が、画にかいた「理想」の様に遠くて美しかった。

(七)仲春

四月十七日。

戸を開けて、海――かと思うた。家を繞って鉛色の朝霞。村々の森の梢が、幽霊の様に空に浮いて居る。雨かと舌鼓をうったら、霞の中からぼんやりと日輪が出て来た。