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Japanische Klassiker mit Furigana

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みみずのたわこと

みみずのたはこと

徳冨 健次郎

Lesen Sie みみずのたはこと (みみずのたわこと) von 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 265.437 Zeichen · 530 Bildschirme

Aozora Bunko

二

家族はと見れば、三坪程の木小屋に古畳を敷いて、眼の少し下って肥え脂ぎったおかみは、例の如くだらしなく胸を開けはだけ、おはぐろの剥げた歯を桃色の齦まで見せて、買主に出すとてせっせと茶を沸かして居る。頬冠りした主人の久さんは、例の厚い下唇を突出したまゝ、吾不関焉と云う顔をして、コト/\藁を打って居る。婆さんや唖の巳代吉は本家へ帰ったとか。末の子の久三は学校へでも往ったのであろ、姿は見えぬ。

一切の人と物との上に泣く様な糠雨が落ちて居る。

あゝ此家も到頭潰れるのだ。

二

今は二十何年の昔、村の口きゝ石山某に、女一人子一人あった。弟は一人前なかったので婿養子をしたが、婿と舅の折合が悪い為に、老夫婦は息子を連れて新家に出た。今解き崩されて片々に売られつゝある家が即ち其れなのである。己が娘に己が貰った婿ながら、気が合わぬとなれば仇敵より憎く、老夫婦は家財道具万端好いものは皆引たくる様にして持って出た。よく実る柿の木まで掘って持って往った。

痴な息子も年頃になったので、調布在から出もどりの女を嫁にもろうてやった。名をお広と云って某の宮様にお乳をあげたこともある女であった。